身近なところでも有名人などのニュースでも、がんという病気について耳にする機会は多くあります。
それもそのはず、現代人の2人に1人がかかるというあまりうれしくない統計も出ているほど、身近な病気です。
それほど身近な病気なのに、風邪やインフルエンザとはすこし印象が異なって、すごく重大なことやこわいこと、危ないこととして受け止められがちです。
そのためがんの告知を受けると、当事者本人もそのまわりの家族や友人、パートナーにも大きな衝撃をもたらします。
それはなぜでしょう?
風邪やインフルエンザなど「普通の」病気とはなにが異なるのでしょう?
いくつかのポイントが考えられますが、
・いのちに関わる病気である
・治療が大変(副作用などの面も、経済的にも)
という2点が特に、がんがもたらす特徴的な印象に挙げられます。
この2点によって、なんだか「大変」で「こわいこと」のように感じてしまうのでしょう。
ヨガの叡智に助けられた
このような印象の病気に実際に直面したとき、大きな衝撃とともに治療や通院など大きな出来事が展開し始めます。
自分自身が告知を受けたとしても、身近な誰かがかかったとしても。
どのような立場であっても、それぞれの立場での「大変なこと」が始まります。
そのようなときだからこそ…ヨガの叡智を活かすことによって、本人にもまわりにも有効なことがたくさんたくさんあります。
それを提案しているのが、がんサバイバーのためのヨガ。
「このポーズをするとこれが治るよ!」とか「この食事が効くよ!」とか、そういう話では決してありません。
そうではなくて。
不安なときに気持ちを落ち着ける方法があれば、余計な不安を軽減できたり、それによって不眠が解消したり、治療へむかうことだってできます。
治療中に横になる機会が多いと、腰痛や肩こりに悩むこともあります。
そのときに、どんな動きをどの程度ならやれるという身体の動かし方を知っていると、身体が楽になることもあるでしょう。
ヨガのアーサナや呼吸法を具体的に活かせる場面です。
また、「病気だから安静にしなければならない」と過剰に過保護にすることも、「病気なんかに負けてはいられない。本当はもっと頑張れるわ」とキャパシティを超えた頑張りすぎも要りません。
そうなりがちなときに、心や身体の状態を観る、バランスをとるというヨガの思想が具体的に使えます。
それによって、治療や生活に中庸な気持ちで向き合ってゆけます。
このように、ヨガの本質的な叡智を現実に活かして、がんという病気そのものや治療や生活…に健やかに取り組めたらいいよねと思っています。
それは、実際にわたし自身がそうだったから。がんとわかったとき、治療を始めたとき、副作用が出たとき…ヨガの叡智に助けられたことがたくさんありました。
では、なぜがんのときにヨガが良いのでしょう? 他のエクササイズのとの違いはなんだろう?
そういうお話を次回以降につづってまいります。
~第2回「ヨガの有用性ーその1」に続く~